配信で使う際は事前に読み仮名を含めて内容を読み込んだ上、
「台本タイトル」「URL」この2点を明記してください。


登場人物

勝村 ユウリ(かつむら ゆうり)
「己の努力のみが道を拓く」が信条でキャリア試験には不合格ながら
日々の勉強と実力・功績により入庁から3年で巡査部長への昇進を果たした。
上記の経緯からキャリア組にはコンプレックスを抱いているが、その反面上昇志向が強い。
真摯で探求熱心だが融通が利かず滅多に笑わないため、
クールビューティーと称されることも多いが鉄仮面と揶揄されることもあった。
曇波とは警察学校で同期だった。

杉原 俊秀(すぎはら としひで)
捜査一課在籍10年以上のベテラン。
何事に対しても斜に構えていて口も悪く、擦れた印象を与えることが多い。
かつて高森が捜査一課に配属された頃に面識があり、同僚の間柄だった。

神山 風太(かみやま ふうた)
ユウリの高校時代の後輩(一学年下)
大学卒業後ルポライターとして活躍。
高校時代から校内の男女交際事情に詳しく、また自身も浮き名を数多く流したため歩くゴシップ誌の二つ名を持つ。
未だユウリにはよく懐いており、その情報収集力で時々捜査に協力してきた。

坂巻 竜壱(さかまき りゅういち)
捜査一課課長。柔和な口調をほとんど崩さないが言葉には重みがある。
長年いろんなタイプの刑事たちを束ねてきたが杉原には少々手を焼いている、
というか表に出さないようにしているが、二人の不仲説は暗黙の了解にして周知の事実となっている。

ライム繁松(らいむしげまつ)
犯罪組織ウォルフに所属するオネエ系の肉体派ファイター。
本来は暑苦しい喋り方とテンションの持ち主だが、世を忍ぶ場では無頼漢を演じている。

黒須 レイカ(くろす れいか)
犯罪組織ウォルフに所属するスナイパー。
皮肉屋で相手を煽るような物言いが多く、クールな風を装っているが沸点は低い。

曇波 千裕(どんば ちひろ)
犯罪組織ウォルフに所属するハッカー。
常に下手に出る態度と丁寧語を崩さないが、上の2人からは掴み所のない変人と思われている。
※苗字のイントネーションは「トンボ」と同じ

藍沢・ヨハン=快晴(あいざわ よはん  よしはる)
犯罪組織ウォルフのリーダー格。基本的に抑揚の少ない喋り方で本音が見えにくい。





【配役】
ユウリ:♀
杉原 :♂
神山 :♂
坂巻 :♂
ライム:♂
レイカ:♀
曇波 :♂♀
藍沢 :♂


================================
◆当ブログ内の台本はどなたでも自由にご使用いただいて構いません。
 (ニコニコ生放送・ツイキャス等の上映枠でのご利用はご自由にどうぞ)
※任意ですが、上映前にご一報いただければ見に行かせていただきます!

◆ただし商業的な利用の場合は必ず御連絡をください。
 記事ページレイアウト右側の「メッセージ」欄をご利用ください。
 御名前と御連絡先アドレスを書き添えた上でお願いします。
================================



-----------------------------------------------------------------------------------






(廃工場の外。内部を覗き込むユウリと杉原)

杉原 「お前の情報は確かなようだな」

ユウリ「おそらくは。ですがまだ取引相手らしき人物の姿が見えません。」

杉原 「焦るな。藍沢に繁松。それと…曇波か。黒須が見当たらねえが」

ユウリ「工場内のどこかに隠れている可能性もあります。」

杉原 「応援は呼んであんのか?」

ユウリ「一応」

杉原 「2対4だぜ?優等生なら応援が来るまで待つって考えじゃねえのか」

ユウリ「時間ちょうどに現れて取引きが開始されたのを確認次第突入、でよろしいですね。」

杉原 「……今の俺にとやかく言う権利はねえ。テメエで判断しろ」

ユウリ「では、その通りに・・・」

杉原 「来やがった!」

ユウリ「っ!」


(工場内にフードを目深に被った人物がアタッシュケースを持ってくる。)

ユウリ「フードで顔が見えない」

杉原 「アタッシュケース…始まったな」

ユウリ「行きます。」

(ユウリ、杉原並走して廃工場へ突入)




ユウリ「そこまでよ!」

藍沢 「ちっ!」

杉原 「全員動くな」

ライム「あら、嗅ぎつけられちゃったの」

ユウリ「変に抵抗しない方がいいわよ。」

曇波 「元気そうですね。こんな形で久々の再会とは。」

ユウリ「…」

曇波 「敵わないなぁ鉄仮面さん。あ、いまは鉄面皮でしたっけ?奇しくも同じ意味のアダ名とはまた…」

ユウリ「ハンズアップ。」


杉原 「お前も武器を捨てたら両手を挙げな」

ライム「アタシは銃器はおろかナイフも持たないの。アタシの武器は鍛え上げたこの体。」

藍沢 「ライム、ここは大人しくしておけ。」

ライム「あんっ!」

藍沢 「まさかここに行き着くとは。」

杉原 「…やけに落ち着いてやがるじゃねえか。」

ライム「アタシたちには優秀な情報源ボーイがいるのよ。」

杉原 「…曇波」

曇波 「ふふっ」



(ユウリ、フードの男に近づく)

ユウリ「さあ、まずはフードを脱ぎなさい……風太。」

(フードの男、ゆっくりとフードを脱ぐ)

神山 「あれ?気付いちゃってました?」

ユウリ「……」

神山 「もっと驚くかと思ったのに。っていうか顔怖いですよ先輩。」

ユウリ「推測してはいたけど、まさかその通りだなんてね。」

神山 「いやぁお見事。でもどこから気付いてたんです?
    自分で言うのもアレですけど俺けっこう上手くやってたと思うん…。」

ユウリ「ハンズアップ!」

神山 「怖っ…」

ユウリ「不自然過ぎたのよ。」

神山 「えっ」

ユウリ「あなたの情報を頼りに動いた先々で確実に証拠を集められた。
    捜査なんて無駄足で終わることの方が多いくらいだからこそ、それを不自然に感じたのよ。」

神山 「なるほど。」

ユウリ「極めつけはここへの情報よ。
    藍沢がクライアントと接触するという話を聞いた時、私はあえてカマをかけた。
    ウォルフって組織を"バックアップする誰かがいるんじゃないか"という言い方で。
    依頼主とバックアップは全く意味が違う。
    まして言葉を扱う職に就いている人間ならば、その違いに気付いて私の推論を否定するはず。
    でもあなたはこう言った。『タイミングよくその推測を証明できましたね』と。」

神山 「…ふぅ~流石、お見逸れしました。」

ユウリ「増援部隊が来るまで少し時間があるわ。いつからそっち側だったのか話しなさい。」

神山 「先輩。俺はいままでずっと貴女のためになることはやってきたんっすよ。」

ユウリ「本題を。」

神山 「先輩も知っての通り、俺はギリギリの生活をしてましたよ。
    もちろん最初は本当に潜入捜査みたいな感じでしたよ?
    でもね、この人達が俺のことを高く買ってくれるって申し出てくれたんすよ。
    いろいろ思案した結果、ウォルフに着くことを決めた。」





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


(ウォルフのアジトにて)

レイカ「ねえ。気付いてる?」

藍沢 「ネズミか。」

曇波 「嗅ぎまわってる人物がいることはわかってましたけどね。」

ライム「ならなんで報告しないのよ?」

曇波 「取るに足らないかなって。」

レイカ「脅威でなければいいけど目障りだわ。」

藍沢 「一理ある。」

ライム「消すの?」

藍沢 「場合によってはな。」

ライム「でもヨシくん?いずれにしてもリスクはあるでしょう?」

曇波 「少なくとも警察や探偵といった類でないことは間違いないよ。」

レイカ「嫌いなタイプだったら容赦しないけど。」

藍沢 「まずは捕獲といくか。ライム。」

ライム「オッケーよ!」



神山 (ここか。よし、まずは写真を…)
ライム「チョロチョロしてる輩がいるっていうからどんなドブネズミかと思ったけど、
    意外に可愛い子ネズミちゃんじゃない。」

神山 「ぁ!!」

ライム「でもゴメンなさいね。アタシには本命がいるのよ。
    さぁ、悪い子ネズミちゃんは引っ捕えないとねぇ!」



曇波 「お、捕獲成功ですね。」

ライム「手応えがないわ。…いい匂いはするけどネ。」

神山 「俺を殺すのか?」

藍沢 「お前、いい目をしているな。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ユウリ「どうして」

神山 「ほら、オークションと同じですよ。
    より高く自分を評価してくれる人に落札の権利が発生する。
    そりゃあ貴女の役に立って喜んでもらいたい、でも俺だってボランティアじゃない。
    いつまでも無償で協力は続けらんないっすよ。」

ユウリ「そんな理由で…」

神山 「あんたがいつまで経っても振り向かないからだろ!!」

ユウリ「何を…」

神山 「高校ん時、あんた俺を振っただろ?『誠実な人が好きだから』って。
    初めての黒星だった。そこでなくした自信を取り戻す為に…
    それまで以上にいろんな女と遊んだよ、でも虚無感は埋められはしなかった。
    アンタに付けられた黒星はアンタでしか取り返せないんだよ!!」
    だからいつもあんたにリベンジ決めることだけを考えてた。」

ユウリ「くだらない」

神山 「ああそうだ。確かにはじめはくだらないプライドの為だったさ。
    でも後にも先にも、あんた以上に惚れた相手はいない!断言できる!
    …だからいつか俺のものになるようにと、協力してやってたんだよ。」

ユウリ「それなら…」

神山 「同じこと言わせないでくれよ。あんたは一向に振り向く気配すらない。
    そんなあんたにいつまでも拘ってる自分に疑問を持った時、迎合の話がきたんだよ。
    なあ、先輩。あんたにとっての『誠実』ってどんなだ?」

ユウリ「言葉の通りよ。」

神山 「へぇー、真面目で誠意があって実直で一途な人ってところか。」

ユウリ「わかってるなら何…」

神山 「わかってないわかってない全然わかっちゃいねえよ!!!
    そうだよなぁ、あんた理系だもんな。
    数学じゃないんだよ。答えはひとつじゃないんだよ。俺とあんたで答え違うんだよ!
    俺に言わせりゃあんたにとっての誠実は行動の話でしかない。」

ユウリ「意味がわからないわ!」

神山 「はっははははははははははは!!
    しょうがないな、頭の堅い鉄仮面さんに解説してあげましょう。
    いいですか?そもそもあんたは当時、不特定多数の女の子と遊んでいた俺に対し
    チャラい・不真面目・だらしないといった印象を持ってたんだろ?」

ユウリ「…」

神山 「ま、そこはいいとしよう。実際そうだったからね。でも初めてあんたを見た時スイッチが入った。
    適当な相手と適当に遊べれば良いって思考から所謂一途なモードにね。
    とはいえそれまで付き合わないかと言って断られたことがなかった俺は、
    あんたもなんだかんだでチョロいとタカをくくってた。
    で、結果は敢えなく玉砕、と。」

ユウリ「どこが…」

神山 「最後まで聞けやコラァ!!!
    告白されたらされる前よりは相手のことが気になるだろう?
    俺が勝機を見出したのはそこだよ。
    確かに1度は失敗したけど、以来益々もって女遊びに興じた。
    敢えてあんたの目・耳から情報が入るように意識しながらな。
    よくあるパターンだろ?
    自分に好意を向けてきた相手が他の奴と親しくしてるとちょっと寂しくなる心理さ。
    だからその作戦でいずれあんたを落とせる算段だったのに、あんたはちっともなびかない。
    寂しいとか悔しいとか嫉妬はないのか、なぁ…ユウリ。」

ユウリ「呆れたわ。」

神山 「なに?」

ユウリ「おおかた、雑誌で得た知識でしょう?でもあなたの思うような感情は持たなかったわ。
    私にとってのあなたは不誠実な男。それ以上の評価はないわ。」

神山 「は?いや意味がわかんねえよ。俺の話理解してねえのかよ!」

ユウリ「作戦とやらも向ける相手が違っていれば効果があったのかもしれないけど私には無意味。」

神山 「なんでだよ!!俺は俺で一途だったって言ってんだろうが!!なんでわからねえ!!
    クッソ!クソクソクソクソクソ!!何が真面目だ誠実だ!!」

ユウリ「独りよがりな思い込みを何年も抱えてたとは、憐れね。」

神山 「結局同じ言葉でも俺とあんたじゃ意味が全然違うってことだな。
    くくっ、へっへへ…ははははははははははは
    笑うしかねえよこんなの。
    言葉って曖昧だよな。あのさ…」

(銃声とともに神山が倒れる。銃弾は頭部に命中、即死)

神山 「!!」

ユウリ「風太!」


レイカ「ったくグチグチネチネチうっさいのよ。みみっちい男。」
     
ユウリ「黒須レイカ!」

レイカ「ご無沙汰ね。雪国のお嬢さん。さて、形勢逆転。そっちのおじ様共々銃を捨てて。」

杉原 「ちっ!」(銃を捨てる)

ユウリ「…」


(間)


レイカ「早く捨てろって言ってんのよ!!」

(銃声。レイカの持っているライフルが弾き飛ばされる。)

レイカ「っ!!」

坂巻 「全員おとなしくしろ。」

藍沢 「…」

曇波 「…」

ライム「…」

ユウリ「課長…!」

杉原 「…」

坂巻 「遅くなってすまない。」

ユウリ「いえ。助かりました。」

坂巻 「…何故お前がここにいる?」

杉原 「…」

坂巻 「謹慎中だろう。」

ユウリ「申し訳ありません。私が連絡しました。」

坂巻 「何故だね?」

ユウリ「この件が杉原さんにとって命題と言えるからです。」

坂巻 「大袈裟すぎやしないかね。事情は私も把握しているが、刑事は情で動くべきではない。」

ユウリ「え…?」

坂巻 「確かに私はベクトルひとつと君に言った。だがこれはそういう問題ではない。」

ユウリ「ですが私はご指示通り、私の正義を信じて判断しました。」

坂巻 「正義か。…実に曖昧で信用ならない言葉だ。立場や思想、人によって基準が違う。
    自分の信じる正義は誰かにとっての悪になり得る。今の君にも当てはまるだろう。」

ユウリ「何を…」

坂巻 「どうにも勘が鈍っていけないな。君たち2人が銃を捨てると同時に発砲するつもりが…」
    思わず気圧されてしまったよ。」

レイカ「ゴメンあそばせ。でも想定より手元近くに飛んできてヒヤッとしたからお互い様ってことにしてあげる。」

ライム「すぐさま銃を捨てなかったのは先を読んでいたから?それとも柔軟な判断が苦手なだけなのかしら。」

曇波 「後者でしょうね。冷静な頭を保ってギリギリまで銃は捨てないって教わりましたから。」

藍沢 「それでこの女が不利に陥っていないのは幸か不幸か。」

ユウリ「…」

坂巻 「状況は把握できているかね?」

ユウリ「これは!」

坂巻 「ご覧のとおりだよ。」

杉原 「やっぱりそうだったか。」

坂巻 「杉原。ずっと疑っていたのか?まさかそこまで私を観察していたとは」

杉原 「お前に興味はねえ。だが、高森の件もあるからな」

坂巻 「高森、か。お前にとっては可愛い後輩だったんだろうな。」

杉原 「・・・」

坂巻 「だが私にとっては奴こそが憎むべき相手だった。」

杉原 「何?」

坂巻 「私に興味がないのではなんのことだかわからんだろうな。
    松本耕一(まつもとこういち)。この名前に覚えはあるだろう?」

杉原 「・・・」

坂巻 「そうだ。1課に配属されたばかりの高森の面倒を見ていたあの松本だ。
    新人の頃のアイツを指導したのは私。そしてアイツにはフィアンセがいた。
    …私の娘だ。」

杉原 「なに!?」

坂巻 「新米刑事だった松本を指導していた頃、何度か家に招いたこともある。
    かつては娘より息子を望んだ私にとって、松本はまさに息子のように思える男だった。
    私は娘を・・・百合子を紹介した。
    ほどなくして2人は付き合い始め、そのまま結婚の話も出た。
    そんな矢先だ。」

杉原 「・・・まさか」

坂巻 「そう。高森が英雄になったあの事件だ。
    訃報が届いた時から百合子は変わってしまった。抜け殻のように。
    そして松本の死を受け入れられない百合子は失意のうちに…自ら命を断った。」

ユウリ「そんな…」

杉原 「だからって高森を恨むのは筋違いだ!」

坂巻 「お前の言わんとしていることもわかるさ。
    立て篭った犯人の凶弾に倒れたのだから高森が責められる謂れはないというんだろう。
    違う。私は百合子の気持ちに寄り添っているだけだ。」

杉原 「なんだと」

坂巻 「百合子は内向的な性格でな、通学以外では外に出ることがほどんどない娘だった。
    そんなだから浮いた話のひとつもなく、私も妻も将来に懸念を抱いていた。 
    杉原、お前も確か娘がいるな。娘を持つ父親としてのその気持ちはわかるだろう?」

杉原 「…」

坂巻 「ところがダメ元で松本に会わせてみると、アイツを気に入ったようでな。
    それまで化粧もろくにしなかった娘が身だしなみに気を使うようになってみるみる綺麗になっていった。
    松本も松本で不肖の娘を受け入れてくれた。
    そしてトントン拍子で大学を卒業したら結婚を、という話まで決まっていった。
    百合子にとって松本はまさに生き甲斐、すべてだったんだ。
    そのすべてが突然失われたとあっては、その場に居合わせた高森も憎まずにいられない。」

ユウリ「そんなの間違ってます!あなたほどの人がどうして」

坂巻 「張本人ならもう消した。」

ユウリ「!」

杉原 「!」

坂巻 「出所して何食わぬ顔で街を歩いているのを見かけた。だから依頼した。」

ライム「いつのことだか記憶にないわ。」

坂巻 「それでも気持ちは晴れなかった。気付けば憎しみの矛先は高森に向いていた。
    だがアイツは閑職に追いやられ、1人密室で雑用をこなす日々の中にいた。
    辞表が受理されて警察の人間でなくなっていたらもっと早くに消せただろうが、
    偶像を欲したバカな上層部のおかげでかなり時間がかかってしまった。
    とはいえそれが幸いして、私ともう1人の共通の復讐を果たすことができたのだが。」

藍沢 「……」

杉原 「じゃあ何故貴様はまだその組織に属してやがる!?復讐を果たして、その上何を望んでんだ?!」

坂巻 「決まってるだろう。金だよ。この稼業は実に美味しい。」

ユウリ「金に溺れたってことですか…」

坂巻 「勝村くん。出世コースに乗れなかった人間は何に仕事の意欲を見出せばいいと思う?」

ユウリ「それが答えですか。」

坂巻 「そう。そして私も叩き上げだ。君もいつかノンキャリの限界を身を以て知るとともに、
    一番のモチベーションが報酬であることも実感するだろう。」

ユウリ「どうしてそんな…」

坂巻 「裏の仕事の蜜を舐めてしまうと表の仕事の蜜など味がしないに等しいんだよ。
    はっはっはっはっはっは!」

(銃声。銃弾が坂巻の肩を掠め、持っていた銃が落ちる)

坂巻 「ぬぉ…!!」

藍沢 「そろそろ味わい尽くしたろう?裏の仕事の蜜とやらを。」

ユウリ「!」

杉原 「なに?」

坂巻 「お前…どういうつもりだ…」

ライム「アンタはやり過ぎたの。」

レイカ「そもそもの私たちの目的忘れてない?」

曇波 「我々の目的は、重罪を隠して正義面した者たちにその罪を突きつけ白日の元に晒し、
    正義と悪を逆点させること…ですよ。」

坂巻 「くっ!!」

ライム「屏風と商売は広げすぎると倒れる、っていうのかしら。」

曇波 「とにかく本末転倒ってことですよ。」

レイカ「アデュー。矛盾男さん。」

藍沢 「そういうわけだ。」


杉原 「待て!!」(藍沢にとびかかる)

ユウリ「杉原さん!!」

杉原 「こいつをここで死なせるわけにはいかねえ!!」

ライム「ヨシくん!!」

ユウリ「動かないで!!」

レイカ「手、震えてるわよ。」

ユウリ「だとしても、この距離なら外すほうが難しいわ。」

レイカ「コイツッ!!」

藍沢 「ジョーカー、押せ!」

曇波 「了解。」

杉原 「何を押させた!?言え!!」

藍沢 「フッ。この工場の至るところに爆弾をセットしてある。そのスイッチだ。」

杉原 「なんだと!?」

ユウリ「爆弾…!?」





                           ・・・つづく